2010年10月29日

小さな村祭り 5つの扉 6「氏神様」

     10月吉日 午前6時、早天の空に煙火(はなび)が打ち上がります。
         
     今日が「氏神さま」の「お祭り」、「ハレ」の日であることを氏子に知らせます。

          丸の中が煙火の煙です、音は「山々」にこだまして響きます。 

            

                神社は村の中央 石段を上がった石垣の上に在ります。

                                 石段をあがって氏子が集まります。
        
  
            神主(かんぬし)様が到着。まずはお茶を一服

 「衣冠束帯」に着替えれば神に仕え、氏子の「畏敬の念」を神に伝える「メッセンジャー」に変身。
 
           

 氏子は神前に神妙に正座し太鼓の音を聞きます。太鼓の合図で「神事」が始ります。

             

          「大井浅間神社」の総称で呼ばれる「伊久美二俣」のお宮さん        
            
           神前には5つの扉(とびら)が在ります              

           

  実は 昭和24年に、村内でばらばらに祀っていた それぞれの「氏」の「氏神様」を

  村の真ん中に「社」を造り、ひとつ「宮」に合祀したのです。
  
    「袋井氏」が大井浅間神社 「大橋氏」子ノ御前神社 「西野氏」金山神社
  
    「福井氏」三輪神社 「西田氏」稲荷神社 「濱野氏」金毘羅神社の6神
    
   5つの扉に6の「氏神様」です。しかし、ここで疑問が・・・「なぜ、扉を つ にしなかったのか?」 

   実は、向かって左端の扉の中に仲良く2柱(はしら)の氏神様が一緒に祀られています。

    「この2柱の神様は離れたくなかったのか?」 「まさか夫婦では?」   謎です。

       太鼓と 「ほー」 と云うかけ声で神主様が扉を開け始めます。

       

        まず、中央に鎮座するこの「社」の家主?大井浅間さま

        

         3番目に「我が西野一門の氏神」金山さまの登場。

         この扉は「立付け」が悪く毎年「ギー」という音がします。

         1年ぶりにこの音を聞くと反射的に頭が下がります。

         

              5つの扉すべてが開かれました。    

      

       伊久美二俣を守護する6「氏神様」のお出ましです。   (つづく)

  


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2010年10月21日

焼き畑?でソバ栽培 その7 花咲きました

 伊久美二俣のソバ畑でもソバの花が咲きました。

 10月5日 ソバを蒔いてから一か月です。 

 

   左が慣行栽培、右が「焼き畑」栽培です。一見「いかがわしい」改ざん写真のようですが

    明らかに「焼き畑」の効果あり・・・・と自画自賛しています。
 


 がっちりとしたそばの茎。地面に黒く見えるのは「炭」

これも「焼き畑」の効果です。





 今年は良く咲きました。



   

  温かいと云うより暑いくらいの10月、「そば畑」では「ブンブン」と云う虫の羽音が聞こえます。

   「ソバ」の花に集まるたくさんの「ハチ」の羽音です。
  
   「ソバ」は他の株の花粉が受粉しなければ実を結びません。 受粉が大切です。

   すべての受粉は「訪花昆虫」と「風」まかせ。  開花時期の気温が重要です。

 

    朝早くから飛び廻る 「ハチ」の羽音が逞しい。 晩秋の実りを約束してくれます。  (つづく)  
 
     


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2010年10月14日

小さな村祭り(祭りの準備) 

  島田市街地ではまさに「島田大祭」の真っ最中、その市街地から30キロ山間の
  伊久美二俣集落でも 年に一度の村祭りです。

  まずは、祭りの準備。
  
  祭り全般は「当屋班」と云う当番が取り仕切ります。 当屋班、最初の仕事は祭典
  前日の 「しめ縄」づくりです。

   
 集落には3つの組があります。今年の当屋班は中組、「しめ縄」の出来栄えは祭典当日
  多くの参詣者の目にさらされます。  他の組には負けられません。当然、力が入ります。

 
 神前にお供えする供物も揃いました。 
 
 まず、「洗米」と「お神酒」 村内で育った「稲穂」が添えられます。
 「しめ縄」も含めて、稲作と祭事との深い関係を感じます。
 
 そして、「土地の野菜、果物」. 野菜は「大根」「ニンジン」「ごぼう」など根菜類が中心です。

   

       供物は神事終了後「くじ引き」で氏子全員に配られます。

       

           
   
     神事に欠かせない 「玉串(たまぐし)」「御幣(ごへい)」も当然手づくりです。

     材料はすべて、近くの「山野」から調達します。
    

   「榊の枝」に白紙を付けた「玉串」
  「役づき」の氏子が神前にささげ拝礼します。
  
 
  「御幣」は竹に紙垂を挟んだもの、
  神殿や煙火の筒場に立てます。

                  
   
                                                              そして、「輪じめ(わじめ)」
                                              これは、20㎝位の竹に白紙を挟み、
                             稲ワラで作った輪を付けたもの。
                                         
                             氏子が家に持ち帰り自宅の
                             「地の神」 「山の神」に供えます。

     
        村内に「幡(のぼり)」が立てられます。 

        竿(さお)の先には「杉の枝」と「穂の出たススキ」が取り付けられます。

  幡は「神」の「依り代(よりしろ)」です。 天上の「神」に良く見える様、高くなくてはなりません。
 
          

      幡に「10月14日」の文字が見えます。 「二俣のお祭り」は長い間10月14日
     と決まっていました。
      その日、「二俣の子供達」は平日でも小学校を半日で早退できるのです。
     当然、祭りの日は朝から「うきうき」して授業どころではありません。
     「ずーと 昔の話です。」

   
       神前は掃き清められ、献酒された清酒が並びます。

         

          前日準備した「しめ縄」も無事 鳥居に取りつけられました。
       
          この瞬間、「しめ縄」の内は「神」の領域です。
  
         

           「神官さま」の到着を待って
           
           「小さな村祭り」が始ります。          (つづく)
  
     
 

    
  
  
  
 

  
 

  
 
  
                   


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2010年10月09日

焼き畑?でソバ栽培 その6「出た」三連発

 「出た」三連発!!! 

  正確に云うと。「出ました」「出たな」「出ています」となります(?)

 まず、最初の「出た」これは発芽。 「ソバの芽が出ました」

  
 
   今年は順調です。 ソバを蒔いてから5日目、発芽してきました。
 
   種まき当日の散水、4日目(9月8日)の雨も効いています。
    
   黒く見えているのは焼き畑で出来た炭です。炭は保水、保肥効果がバツグンです。

      「これは良いぞ」と思いきや、二番目の「出た」です。
   
     ソバ畑に空いた巨大な穴。 「出たなイノシシ」
  
   
    伊久美では「住人の数より多い」と云われるイノシシの来襲です。
   
   一晩でとんでもない「悪さ」をします。あたりかまわず、畑を掘り返します。
  
   しかし、この程度では驚きません。 ここでは日常茶飯事です。
  
   速やかに、電気柵を設置します。

  これが電気柵   バッテリーは
                                  単一乾電池 6本
  
  ここで、町内会長 H氏の登場です。H氏は県立工高電気科を優秀な
  成績で卒業した電気のプロです。
  乾電池が電源なんて、彼に言わせれば「おもちゃ」です。
    
     
  
   間伐材の柱を立て絶縁端子をねじ込み、電線を張ります。
   電線がイノシシの鼻先にくる様にするのがポイント。
   
 
   
  
      すべての電線をつなぎ、乾電池を入れた電源を取りつけます。

    
  
    地面にアースを打ち込み。電気が流れているかテスターで確認します。
    
    これで完璧。ほぼ完全にイノシシの被害を防ぐ事が出来ます。
    
    
             そして、三番目の「出た」 
    9月9日の朝刊に「ソバ播き」の記事が 「新聞に出ています」
   
    「種まき」をする子供達の元気な写真。 「チーム二俣・楽山舎」の名も

    「大橋長老」の名前もバッチリ載っています。
    
     順調な発芽、イノシシ対策も完璧。 チーム全員収穫に向かって

      気合いが「入り」ます。    (つづく)  
 
    (解説)・・・「出た」三連発の後、最後に「入る」で締めているのが

           今回の ブログの「オチ」 です。  おわかりですか?
            
                       御覧頂きまして有難うございました。
              

 
 

               


Posted by ヤマサン西野 at 06:39Comments(1)

2010年10月04日

焼き畑?でソバ栽培 その5 種まき

 9月4日快晴猛暑。 ソバの種まき当日です。

          市内から大勢の小学生が畑に集まりました。

          

 「種まき」前に子供達も「焼き畑」を体験。

  

 焼いて残った灰と炭を畑にひろげます。

  

                      おかげで足もとは灰で真っ白。 「種まき」の準備は整いました。

             
                       
 
             「チーム二俣」の「大橋長老」が「ソバ」を解説。播き方を伝授。

          
          
 
          さあ、一列に並んで「ソバまき」開始!!

                               
 
           畑を往復します。 
            
           
 
            大人数です。5㎏の「ソバの実」はあっという間に無くなりました。

            「種まき」の後はたっぷり水をかけます。子供達は放水に「大はしゃぎ」 
            
            
            
            
            
              昨年は猛暑と干ばつで不作でした。今年は徹底的に潅水します。

          「種まき」が終わり、誰も居ない畑でもう一度丁寧に水を撒く消防団員の「I 君」

            

            ご苦労様でした。これだけ水を撒けば大丈夫でしょう。

            今年は「焼き畑」の効果も楽しみです。   期待できます。  (つづく)

  
        


Posted by ヤマサン西野 at 08:24Comments(5)

2010年09月29日

農大参上

今年は「大根」持参?で来訪!
伝統の大根踊りを伊久美二俣で披露!!!



 東京農大の学生さん総勢20名が農家研修のかたわら、「チーム二俣」で取り組むイベントに
 参加してくれました。

 この夏の猛暑の中、懸命に作業して頂きました。




               「地下足袋」「もんぺ」は当然正装?
             
   彼,彼女が履けば「地下足袋」も「農業用シューズ」?に変身



良く「飲み」良く「食べ」良く「笑い」好感度100%

 

農業の就業人口が激減している昨今。農家を「農家さん」と敬称で呼び。

「農業したいです」と明るく話す彼らはとても貴重です。




私たち「ロートル」は考え方がすっかり「硬直」してしまっています。

農業は「きびしい」「あまくない」と言い捨て、黙り込むよりも
もっと良い「やりかた」が必ず「ある」はずです。

もう一度「したたか」に「しなやか」に自分の「仕事」を考えます。




  東京農大の皆さんありがとうございました。来年もよろしくお願いします。 
 
   ブログ掲載が遅れました。すみませんでした。














 

  


Posted by ヤマサン西野 at 12:34Comments(1)

2010年09月26日

焼き畑?でソバ栽培その4 着火しました

前回のあらすじ?

 ハチに追い回されながらも畑に「茶の木」を運びこみました。

 いよいよ「焼き畑」です。

 
 その前に、畑は連日の晴天猛暑で「カラカラ」に 乾燥しています。
 
 「火の用心」のために畑の脇に可搬ポンプを据え付けます。
 
  
   畑脇の水田用水路に設置               ポンプの調子も上々

   いよいよ、着火です。
 
  
   初めはなかなか火が着きません                  板であおります


  
                ようやく着火・・・と、見る間に燃え広がります。
 
 
             一度 燃えだせば茶の木は「がんがん」燃えます。
 
             こうなると火力と猛暑のWパンチ 「暑~い」

    
    
    はたしてこれを「焼き畑」と云えるのか、甚だ疑問ではありますが。
     
        沢山の灰と炭を畑に供給することができました。

 

    ようやく、「種まき」です。        (つづく)   


Posted by ヤマサン西野 at 00:13Comments(0)

2010年09月24日

焼き畑?でソバ栽培 その3 刺されたら吸引器

前回のあらすじ?
  焼き畑で燃やす「茶の木」の中には無数の蜂の巣。
  作業中2名が蜂に刺されてしまいました。

そこで登場は「蜂の毒吸引器」町内会長H氏が所有しています。

これがその吸引器。中身は「ハリのない注射器」
正式名はエクストラクターボイズンリムーバー
(強力吸引タイプ)フランス製らしい・・・

   
 
 器具はこうして使います。

 
   傷口に吸引口を押し当て             ピストンレバーを上下させ吸引します

  これでOK。蜂の毒は見る間に吸い出され痛みも腫れもありません。

 ここで町内会長H氏からの注意事項
        
 蜂の毒を決して口で吸い出してはいけません口内に虫歯や傷があれば腫れあがってしまいます。
 と、云う訳で結論 「一家にひとつ蜂毒吸引器」 夏の必需品です。

 
 それにしてもこの夏、 草刈り中に何度刺されそうになった事か・・・・・・・

 先日は蜂の巣ぎりぎりを草刈り機の刃が通過、目の前に突然蜂の巣が現われた時の驚きは
  それはもう「スゴイ」です。
 
 これがその時の蜂の巣(ソフトボールの大きさ)
   
 地面すれすれ、しかも草の中        40mの農道脇に3つもの蜂の巣(×印)
                            草刈りをしながら 走り、逃げ回り ます。


 
 
 
 


 本当に、今年は「蜂の巣」が多い。しかも低い場所にあります。

  こんな年は、「雨が少ない」とか反対に「台風が多い」とか
  諸説言われますが はたして、真実はどうなのでしょうか?
 
  ご存じの方、コメントお願いします。




  蜂の事ばかりになりました。「焼き畑」に戻ります。

  猛暑、蜂の飛来に悩まされながらも、畑に「茶の木」が集まりました。

 

  いよいよ、点火です。     (つづく)

 


 



  

 




      


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2010年09月11日

焼き畑?でソバ栽培 その2 ハチ飛び出し注意

前回のあらすじ?
草だらけの畑に 「草刈り」「耕うん」を実行。

それは、僕らが「やりました」 彼らの活躍で作業は無事は完了





      充実感からか 全員「腰に手」の「エヘン」のポーズ?
 
 
  
  彼は半分「エヘン」・・ ともあれ 畑はきれいに整地されました。

   これからが本番、「焼き畑」の実行です。

 
 枯れた「茶の木」の山。 改埴する為に抜根された物です。
  
  「茶の木」は油分が多く良く燃えます。
  これをトラックの載せて畑に運び、燃やします


 
  
  ここでアクシデント発生!
  なんと「茶の木」の中に巨大な蜂の巣多数!!


 

   まさか!「スズメバチ」の巣まで発見!
   散々蜂に追い回されました。

  
  「怖かった、蜂の巣は何処だろう」
  「オイこの看板見てみろよ。ハチ飛び出し注意って書いてある」
   「こわいなーイクミは」
 
     これでは「命がけ」のソバ栽培!?        (つづく)

  
 
 追伸 
  当然ながら、伊久美に「ハチ飛び出し注意」の看板は実在しません。
                  怖くもありません。アシカラズ。
                                    





 

 
  

  


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2010年08月30日

夏に語る

この夏、大勢の皆さんが伊久美二俣で「熱く」語りました私、たっぷり聞かせて頂きました


 
                  深夜まで続く熱い議論

   
               西郷 VS 桂小五郎?…村の論客激突

   
                              背中で語る男

>
              じっくり持論を展開する理論派の3人


      同じ髪型… いかにもやりそうな行動派の語気は一段と熱い


 
      若い人も 昔の若者も車座になれば同じ「語り部」


ある人は夢を語り、またある人は進むべき理想を語りました。

過ぎゆく夏を惜しむかの様に 熱く語ります。

これは、「真夏の夜の夢」…「思いつき」、「勘違い」、何でもOK

こんな熱気ある「語り」の中から「新しい何か」が生まれます。


「ホントにこの夏は(熱)暑かった」

  


Posted by ヤマサン西野 at 00:02Comments(2)